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2023/12/21 15:52


<播州織 / 染色編>に続き、次の工程である '機織り' についてのレポート


播州織地域では、①染色、②織り、③加工などの分業が主流となっています。
(染色・織りを1社で行う所も有り)

今回は染色会社で染め上がって来た糸を、生地に織り上げる機屋さんについてのレポートです。
播州地域では先染めの特徴を活かして、ストライプやチェック柄の他、
複雑な柄も表現できるジャガード織の機屋さんもあります。

今回はこのジャガード生地を専門で織っている機屋さんを訪ねました。
(* ジャガード生地とは:模様が織り込まれた生地のこと。
ジャガード織機はパンチカード(紋紙)で制御され、複雑な模様や大きな模様、
多色の模様を織る事ができます。)

工場に入ってまず目に飛び込んできたのは、巨大な手回しオルガンの様で
生き物の様なジャガード織機!
昔からあるジャガード織機では、厚紙に孔を開けて織物の紋様情報を
記録した紋紙と呼ばれるカードを用います。
これをジャカード装置が読み取り、織物の経糸の上げ下げを制御して
紋様を織り出していきます。

文だけ読んでもとても複雑ですが、織機を見ると更に複雑。
何がどうなったらこんな模様の生地が生まれるのか!
糸がどこを通ってどう織り込まれているのか!
ただただ発明したジャカール氏のずば抜けた才能と、その機械を操る機屋さんの技術に
驚きの連続でした。

↑写真の上部分にぶら下がっているのが紋紙(パンチカード)
紋紙の下に簾のように張られている紐が紋紙と連動し、
経糸の上げ下げを制御して複雑な模様を作り出しています。


↑季節、天候、気温、湿度等によっても糸の状態が変わるので、毎日職人の感と技術で調整します。


↑ジャガード織機で織ったカラフルで手の込んだ柄の数々


昔からのジャガード織機では紋紙を使用して柄を作りますが、
最近では織機に取り付けた電子装置で糸の動きを制御する電子ジャガードなどもでてきています。
電子ジャガードでは1柄のリピートが大きい柄が作りやすくい特徴があるそう。
又、紋紙を作らなくて良いためコストダウンのメリットがありますが、
昨今では紋紙を作る職人の数も大幅に減って来ており、技術継承における面でも問題も大きな課題です。

KEYCOのシャツを作る為、様々な織物産地を訪ねていますが、
最近は高齢化や技術を継承する人材の減少など深刻な声をあちらこちらで耳にします。
こんなに素晴らしい技術がもし無くなってしまったら!と思うといてもたってもいられません。
少しづつでも、次の時代にも残していきたいモノ・コトをシャツに乗せてお届け・発信していけたらと思い
日々活動中です。

今回は織りの現場をレポートしましたが、生地はまだ出来上がりではありません。
ここで織あがった生地もこの後、シルケット加工、起毛加工、ワッシャー加工など
様々な種類の加工によっていろいろな違った表情を見せてくれます!
次回は加工場からレポートです!