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2023/12/15 14:42



日本の様々な織物産地や職人を訪ね、その地に根付いた織物や磨き上げてきた技術をシャツに載せてお届けしているKEYCO


全国各地の織物産地やものづくりの現場へ訪れる事が多い日々ですが、

今回は兵庫県西脇市などが位置する北播磨地域で昔から織られている播州織の産地についてのお話です。


まず、織物の染色には大きく分けて織る前に糸を染める「先染め」と

織上がってから生地を染める「後染め」があります。

播州織は前者「先染め」が特徴の産地。

先に糸を染める事で、ストライプやチェック、ジャガード柄など様々な生地を織る事ができます。

今回はその一番最初の工程である糸の染色現場の様子をレポートします。


訪ねたのは江戸時代からこの地で約200年程織物に携わってきた機屋さんの染工現場。

まず目に入ったのは、ずらりと並んだ数えきれないほどの糸色見本(色レシピ)!!

何時間でもここにいたい!と思うほど美しい色に囲まれていきなり幸せな気分です。

大好きなブルー系だけでも何色あるのか数えきれません。

この産地はストライプ等のシャツ生地も多く作っている事からメンズシャツの需要も多いため、

ブルー系の色見本が一番多いそう。

生地を作成する際は、まずデザイナー等が希望する色見本と色レシピも参考にビーカーで色の試作を行っていきます。



色は見る場所の光の種類(太陽光・蛍光灯・白熱灯・LED等々)や天気はもちろんの事、

見る人の体調や気分、好み、はたまた目の色によっても変わるとも言われているので

この段階で希望の色を出せるかとても大事なポイント。

(一言でブルーといっても何千何万又はそれ以上の種類があるのではないでしょうか)


次は、ワインダーという作業。

固く巻いてある糸をプラスチックやステンレスなどの穴のあいた円柱状の芯に柔らかく巻き直し、

染色する際に中までむらなく糸が染まる様にする工程です。

これをしないと中まで綺麗に染まらずムラができてしまうのでこちらもとても大事な工程。



そしていよいよ染めの作業。

巻き返した糸を染料の入った釜に投入していきます。

染には少量から染められる「チーズ染」と1回に多く染められる「ビーム染」があり写真はチーズ染。

素材によって時間が違いますが3~5時間ほどかけてじっくり染め上げて行きます。


ビーム染の時はこの大きなビームに糸を巻いて染めます↓


糸を準備するだけでもたくさんの方と数多くの工程を経てやっとできる大変な作業。

どの工程も職人の積み重ねてきた経験や知恵や感覚が隅々までつまった染色現場でした。


そして、糸が染め上がったらいよいよ機織りの工程へ!

次回は機織り現場のレポートです!